ホームセンターで災害時の備えができることをご存じだろうか。日本赤十字秋田短期大学の講師・及川真一さんと秋田市のホームセンターにお邪魔した。
「ホームセンターは生活に関する用品だけでなく、アウトドア用品も買えるし、僕は普段よく来て、いろいろなものを見たり備えたりしている」と話す及川さん。
今回訪れたのは、秋田市のホームセンター・サンデー御野場店。サンデーは秋田県内に14店舗あり、御野場店は日用品を中心に約4万点の商品を扱っている。
向かったのは「防災用品コーナー」。
及川さんが紹介してくれたのは、毛布の代わりになる「アルミシート」だ。寒さが厳しくなるこれからの時期、携帯しておくと便利なのがアルミシート。テントのように使えるものや、厚手で軽いものなど種類が豊富だ。
及川さんは「実際に使ってみるとシャカシャカと音がするので、最近は音がしにくいタイプも出てきている。手にして、自分がどこで使うのかを考えてもらうと便利」と話す。
避難所で生活していると「音」がストレスになることがある。災害時に実際に使うことを想像しながら選びたい。
続いて紹介してくれたのは「マット」。及川さんは「寝るにあたって、寒さ・暑さをしのぐも重要だが、安眠がとれないと翌日に相当体力が奪われる」と話し、マットの必要性を強調。柔らかさを優先に考え、しっかりと厚みのあるものを選んでほしいとアドバイスする。
次に及川さんが手にしたのが「湯沸かしボックス」。火は使わず、水を注ぐだけで簡易的に湯を沸かすことができる。これに食品を入れると、温かいご飯が食べられるという。アルファ化米やレトルト食品、赤ちゃんのミルクを温めるためにも使える。
このほかにも、情報を得るために欠かせない手回しのラジオや、チューブタイプのろ過器などが並んでいた。
持ち運びができるポータブルシャワーは、太陽の光のエネルギーで中の水を温める。利用が難しい季節や天気はあるが、温かいシャワーを浴びることができる。
車のガラスを割るためのハンマーは、水害などに備えて持っていると安心だ。
自宅で、避難所で、車でと、さまざまな種類の備えがあるが、選択肢が多いとどれがいいのか迷ってしまう人もいるかもしれない。そんな人におすすめなのが「防災セット」だ。避難所、車中泊専用など目的ごとに分けられているため、必要なグッズが手軽にそろう。
及川さんは「必ず中を開けて、自分に合っているかどうか、いるものといらないものが出てくると思うので、カスタマイズが必要になってくると思う」と話す。悩んだらパックを買って、中を開けて自分に合うかどうかを確認してほしい。
災害時の備えは、日常的に訪れる店で完了できる。いつか…ではなく、いま備えを始めてみてはいかがだろうか。
及川さんも「身近なホームセンターでの買い物のついでで構わないので、防災用品コーナーをのぞいてみて、手にして、自分に合っているかどうかの確認と備えをしてほしい」と呼びかけている。