台風6号が九州に接近しています。そして次の台風7号も、お盆休みの日本列島、本州を直撃するおそれが出てきました。今回の台風6号では大規模な停電も相次ぎ、“停電熱中症”という“気になるワード”も出ています。
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9日現在、2つの台風が発生しています。
台風6号は、鹿児島の西の海上にあり、このあとも比較的ゆっくりしたスピードで進み、九州の一部を暴風域に巻き込みながら北上する見込みです。動きが遅いため長い時間、雨や風が強い状態が続くおそれがあります。
台風7号は、まだ予報円は大きいのですが、今後、発達しながら北西に進み、お盆の14日(月)に関東や東海、紀伊半島へ近づくおそれがあります。お盆の時期、帰省やお出かけの予定を入れている方も多いと思いますが、天気は大荒れ、交通機関にも影響が出る可能性があるので注意が必要です。
交通機関への影響は、台風が来る前はもちろん、通過してからも数時間は影響を受けます。計画を立てる場合は「戻れるのか」を考えたいものです。
●停電経験者が語る備え
●3日前…「今やる」備え
以上のポイントを中心に詳しく解説します。
■台風6号で実際に停電を経験 暑い夜間「とても眠れるような状況ではなかった」
今回の台風6号で実際に停電を経験した方にお話をうかがいました。那覇市在住の防災士で気象予報士の島尻勝さんです。
夜間も30℃近い中で自宅が停電してエアコンが止まり「とても眠れるような状況ではなかった」といいます。
防災士・気象予報士 島尻勝さん(沖縄・那覇市在住)
「停電時の熱中症対策、困ったなと思いました。凍ったペットボトルを、もうちょっとたくさん準備しておけばよかった。暴風雨の中、停電して『暑くてたまらん』とクーラーのある避難所に来た方がいた。それは、やめていただきたい。暴風雨の中を歩くのは危険ですから」
■プロの防災士・沖縄の島尻さん直伝 「あってよかった」備えとは…
島尻さんは「(停電は)わずかの時間でも急に温度・湿度が上がり、かなり大変だった」と言っていました。プロの防災士として島尻さんが「あってよかった」という備えも教えてくれました。
まず、ランタンなどの明かりやラジオです。ただ明かりといってもロウソクは危ないので避けたいそうです。そして、スマホやバッテリーの充電もしっかりしておきたい。さらに、水を事前に浴槽などに張って備えをすることも大事だそうです。そして、氷や冷凍ボトルです。あらかじめ凍らせてクーラーボックスや発泡スチロールの箱に入れておくとよいというお話もしていました。
ペットボトルを凍らせるときに、水を目いっぱい入れてしまうと破裂してしまうおそれがあるので、少し水を減らした状態で凍らせるのがポイントです。首や脇の下などを冷やすのに使え、溶けたあとは飲み水にもなるたいへん便利なアイテムです。早めにたくさん用意できるとよいでしょう。
■どうする? 停電でエアコンが使えなかったら… 4つの対策で備えよう
では、実際に停電して「エアコンが使えない!」となったとき、“停電熱中症”にならないよう、どうやって乗り切るとよいでしょうか。厚労省などは次の4つの対策を挙げています。
◇涼しい服装、通気性のよい服に着替える。
◇水分や塩分を取りましょう。
◇ぬれたタオルを首に巻くなどして、うちわであおぎます。
◇水浴びや水風呂も効果的です。
電気がなくても、身の回りにあるもので体を冷やすことができます。水風呂に抵抗のある人は、洗面器に足首をつけるだけでも停電熱中症対策になるそうです。
■「防災タイムライン」とは? 24時間を切ったら「命を守る行動」を
これから台風が来る地域の人たちには、知ってほしい備えがあります。それが「防災タイムライン」です。
台風は突然来るものではなく“数日前から来ることがわかっている”災害です。そこで国土交通省などが「防災タイムライン」の作成を呼び掛けています。
台風の場合は「上陸や最接近」を「0時」として「1日前(24時間前)」「2日前(48時間前)」「3日前まで」に“やっておきたいこと”をまとめます。
お盆に接近する可能性のある台風7号の場合は、まさに“今のうちに”やっておきたいことが「3日前までの備え」です。そこですべきことは「情報確認」です。
まずは、テレビや気象庁などで台風情報、台風の強さや進路などを確認します。政府の「重ねるハザードマップ」などで、住んでいる地域にどんなリスクがあるのかチェックします。そして、足りない防災グッズなどがないかもチェックをしましょう。沖縄の防災士・島尻勝さんが挙げたランタンや冷凍ペットボトルといった停電グッズも確認し、買い出しをしっかりすませておきましょう。
次に、「台風の前日まで」にやっておきたいことが「準備」です。窓ガラスが割れたり飛散したりしないよう暴風対策、バッテリーの充電、お風呂などに事前に水をためることが効果的だそうです。
そして、台風が来るまでに24時間を切ったら「命を守る行動」に移ってください。
携帯電話に届く自治体からの緊急情報などをこまめにチェックしましょう。自宅の安全な場所で過ごし、不要不急の外出は控えたいところです。
自治体から避難の情報が出たら、すぐに行動に移していただきたいですが、“状況が悪くなる前に”避難が完了していることが理想です。
台風6号が近づいている九州のみなさんはぜひ「命を守る行動」をすぐにとっていただきたいと思います。
一方、台風7号が近づいているエリアのみなさんは、準備が大切だと思います。地震は急に来るので災害対応が難しいものですが、台風は準備ができます。命を守ってください。
◇
お盆の予定を楽しみにしてらっしゃる方は、多いと思います。楽しい思い出で終わらせるためにも情報収集、そして備えをしっかりしてお盆休みを迎えましょう。
(2023年8月9日放送「news every.」より)
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