非常食

非常食

非常食, by Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki?curid=157344 / CC BY SA 3.0

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代表的な非常食の一つである乾パン(ドイツ連邦軍レーションのハードビスケット) 調理済み米飯の缶詰 非常食(ひじょうしょく)は、災害や紛争などの非常事態により通常の食糧の供給が困難になった時のための食糧のこと。
本来、日本において「非常食」とは凶作や天災が生じたときに食す、山野などに自生しているもので平時には食用に供しないものを指す語であった(この意味では救荒食とも呼ばれる)。
しかし、今日では意味が変化し、災害時・遭難時など食物・燃料・飲用水の入手が困難な場合に備えるための食糧を指す。
これらの食品は、平時を通して常に備蓄・管理されており、地震・水害・大規模火災・紛争といった、様々な有事の際に配給され、消費される。
このため、ペットボトル詰めの飲料水のほかに、アルファ化米・乾パン・缶詰・レトルト食品・インスタント食品などの保存性に優れた食品が用いられる。
電力やガス、水道などの社会的な供給インフラの機能が停止することを想定し、常温で保存が利き、屋外でも特別な器具なしに飲食できる物である必要がある。
特に、今日の市販のミネラルウォーター・缶詰・レトルト食品・インスタント食品といった製品類は、日常的に消費される物でも1-2年程度の賞味期限を持つものも多いため、将来的に大規模震災が予想されている地域では、家庭において普遍的に備蓄されている物も多い。
その一方で、防災用品として特別に保存性の高い物も市販されており(市販品を窒素ガス充填の缶詰などにして賞味期限を伸ばしたものもある)、これらも個人が日常的に購入・備蓄する事が可能である。
また、地震や水害などの災害発生が予想される地域では、住民保護の観点から国や地方自治体により一定量の保存食が防災倉庫と呼ばれる公共の保管庫に分散して備蓄されている。
しかし、食品であるだけに、経年劣化によって食用に適さない状態になってしまうと本来の役には立たなくなるため、賞味期限切れの物は、順次新しい物と交換される。
多くの場合には、賞味期限切れになる前に災害訓練の炊き出し演習で使用したり、啓蒙のためのサンプルとして配布することで無駄なく使い、新しい物に入れ替えることが行なわれる。
近年は納入業者が定期的な納品と回収による循環を管理するサービスも存在する。
非常食は諸々の事情でライフラインや物流が途絶し、食料調達や調理が困難になった状況で使用される。
日本国内において、地震や水害などの災害発生により、国や地方自治体からの公的な災害援助として支給される非常食は、末端住民まで行き渡るまでに2-3日程度の日数が必要とされ、災害が大規模な場合にはさらに遅延が予想される。
この間は、各々の個人や集団などで独自に確保した水と食料が必要である。
米国ではハリケーン・カトリーナに絡んで発生した2005年の水害の際、多くの家庭で、甚だしい地域では2週間程自力で生活する事を強いられた。
これにより食料品店が略奪に遭うなどの混乱も生じている。
極論ではあるが、人は水さえあれば食料がなくても3週間-1ヶ月程度は餓死しない。
しかし、そのような状況では体力を消耗し、疾病などの問題を被りやすい。
災害発生時には衛生の問題から伝染病の発生も予測されるため、衛生的な水と食料は常に備えておくほうが望ましい。
東海地震の被害が予測される地域では、概ね3日以上の食料と水を各家庭で備えるよう、地方自治体から住民にアナウンスされており、自治体によっては条例で定められている。
また、帰宅困難者対策として各事業者にも備蓄が求められている。
大量の物資を非常食として家庭にストックしておくのは現実的に難しい。
そこで、前述の一般的な保存食を買い置きしておいて、順次消費しながら一定の保存食を確保する方法、ローリングストック法が推奨されている。
順次消費することにより、保存食でしばしば問題となる消費期限切れの問題を回避できる。
保存食の多くは加熱や調理が必要なため、普段から家庭で使用しているカセットコンロとカセットボンベの同時備蓄が推奨されている。
また、日常的に使用する保存食、飲料水、ウェットティッシュ、カセットボンベ、乾電池、使い捨てカイロなども、常に一定量、家庭に置いておくことも推奨されている。
ローリングストック法では、古いものから消費し、常にストックを維持することが大切である。
同じものを食べ続けると栄養に偏りが出るほか、食べる側としても飽きてくる。
このため、非常食の備蓄の段階である程度の選択肢に考慮する必要がある。
市販の非常用食品でも「食事に変化を与…

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