災害後も自宅で過ごせる「津波シェルターペントハウス」防災グッズ大賞に

災害後も自宅で過ごせる「津波シェルターペントハウス」防災グッズ大賞に

防災最前線です。優れた防災グッズを表彰する「防災グッズ大賞2021」の住宅部門で静岡のハウスメーカーが大賞を受賞しました。新たに開発した住宅の中には災害から命を守るための家づくりのヒントがありました。

 2021年10月、東京で開かれた防災グッズの展示会。食品や生活・衛生用品など家庭向けの優れた防災グッズ約50点が並びました。このうち「住宅部門」では静岡市に本社を置く百年住宅が開発した「津波シェルターペントハウス」をつけた防災住宅が大賞を受賞しました。
 <審査員>「津波対策シェルターがついている住宅は非常に画期的だと思っている」
 この防災住宅は屋上にシェルターをつけ、地震や津波などの災害が起きた後も自分の家で過ごせる機能を備えたことなどが評価されました。
 <百年住宅 中嶋雄社長>「こちらが津波シェルターペントハウスになります」
 屋上に突き出た部分が津波シェルターになっていて潜水艦のような鉄の扉がついています。
 <尾崎文哉記者>「このように鉄の扉を閉めると、内部が密閉されて外に空気が出なくなります」
 <百年住宅 中嶋雄社長>「空気だまりの原理でシェルターを作っている。コップを逆さにして水の中に入れても空気が残ります。それと同じ原理を家で実現したのがこのシェルター」
 津波シェルターは2011年の東日本大震災をきっかけに作られました。10年前の開発当初にSBSが取材した映像です。窓の高さまで水に使ってもシェルターの内部には十分に空気が残りました。当時、扉は外側についていました。現在は、扉を内側に設置し内部の空気が膨張する原理を利用して密閉度をより高めました。シェルター内に残る酸素で6時間は生活できます。また、1階のコンセントは水害が起きても水につからないように高い位置につけ、2階には太陽光パネルから電気を送る災害時用の配線を設置するなど、この住宅には災害を乗り越える様々な工夫があります。
 <百年住宅 中嶋雄社長>「まず家自体が(災害から)耐えて、そのあと避難所に行かなくてもいい、家で生活できる」
 新型コロナウイルスの感染拡大で避難所が「密」になる心配から災害が起きた後もそのまま自宅で過ごせる強い家づくりへの関心が高まっています。

 取材した百年住宅の中嶋社長は強い揺れが来た時に自動的に電気が切れる「感震ブレーカー」を今住んでいる住宅につけるだけでも地震に強くなると話します。災害が起きても困らないように今できる対策を積み重ねていくことが大切です。

12月14日 SBSテレビ「ORANGE」放送
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